【市民健康相談講座】 急な胸の痛みについて

講演会開催

市民の皆様に身近なテーマで講演会が行われました。

今回のテーマ「急な胸の痛みについて」

1.内科領域から:成田 伍良 先生

2.外科領域から:坂上 充志 先生

■日時 平成20年3月8日(土) 午後2時30分~午後4時

■場所 豊明市保健センター3F会議室

参加費無料、事前の申し込み不要

講演会の様子

(講演会の様子)

講演会要旨 「急な胸の痛みについて」     成田 伍良

胸の痛みには内臓痛と体性痛があり心臓の痛みは内臓痛であり表在性である体性痛とは異なる。急を要する予後に影響する痛みとして1)冠動脈疾患(労作性狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞)2)大動脈疾患(解離性大動脈瘤)3)肺疾患(肺梗塞)がありこれらは早期の診断と治療がその人の予後を決定する。心筋梗塞は狭心症と異なり6時間以内の再疎通が大切である。解離性大動脈瘤は大動脈の解離を早期に発見することが大事であり、胸部X-P、CTの検査が有用である。最近ではマルチスライスCTが早期診断法として用いられる。肺梗塞は肺に血栓等が下肢等から飛散し肺動脈を閉塞させるため呼吸困難をきたすため早期の血栓溶解と凝固阻止が大切である。これらの大きな原因となる動脈硬化を予防するためコレステロールを低下させる事が重要である。特に心筋梗塞は冠動脈の破綻から起こり、その原因となるコレステロールで満たされたプラークの亀裂による。その際の冠動脈の閉塞率はほとんどが50%以下であり今まで考えられていた重度の狭窄血管の閉塞とは異なる。これらのことからコレステロールを低下させることが大事であることを強調して講演を終了した。


急な胸痛について~外科的立場から~      坂上 充志

外傷に起因する場合、打撲・挫傷などから、肋骨・胸骨・鎖骨などの骨折を伴う場合などがあり、特にしりもちをついた時は下部胸椎の圧迫骨折を起こしていることも多い。通常肋骨骨折の場合、固定・安静だけで完治するが、時に外傷性気胸あるいは血胸(肺に損傷があり、空気がもれて肺がつぶれたり、血管を損傷して胸腔内に血液がたまったりする事)を併発する事もある。また、複数の肋骨が複数個所で折れた場合、呼吸困難を起こすため、入院の上、固定・呼吸管理を要する事もある。

外傷を伴わない場合は、肺に孔があいて空気がもれて肺がつぶれる自然気胸があり、若い痩せ型の男性に多いが、肺気腫などのある高齢者にも多いため、急に胸が痛くなり、少し動くと息切れする時には注意が必要である。また肋間神経痛は原因不明のことが多いが、時にウイルス感染による帯状疱疹の事があるため、片側の胸痛あるいは違和感が出現した場合1週間程は痛む胸部皮膚に発疹が出てこないか注意が必要である。その他肺癌、縦隔腫瘍、悪性腫瘍の骨転移、病的骨折などもある。また、食道癌や逆流性食道炎などの消化器疾患が原因となる事もあるため、胃内視鏡をしてはじめて診断がつく事もある。