【市民健康相談講座】 白内障・緑内障

■ 「市民公開講演会」のご案内
「白内障・緑内障」
白内障について:末繁葉子先生
緑内障について:平岩貴志先生
日時:3月6日(土曜日)
場所:豊明市保健センター3階講義室
時間:午後2時~3時30分
※ 講演会の様子についてご紹介いたします
市民講演会企画運営委員会の隈部泰男先生の司会で講演が開始されました
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「白内障について」 すえしげ眼科 末繁葉子先生
※ 講演内容から抜粋してご紹介します
(1)まずは、視力、眼球、水晶体、白内障などの基礎知識について
(2)白内障の手術の種類や方法について、きれいな写真や図による説明
(3)眼内レンズの特徴や後発白内障のレーザー治療について
(4)最近話題の「多焦点眼内レンズ」について
単焦点眼内レンズの見え方
■遠方にピントを合わせた眼内レンズを挿入した場合は老眼鏡が必要。
■近方にピントを合わせた眼内レンズを挿入した場合は車の運転など遠くを見るときに眼鏡が必要。(ただし、乱視によって見にくい場合は遠用と近用の眼鏡が必要になる場合がある。)
■コントラスト感度が良好である。
多焦点眼内レンズのメリット
■多焦点眼内レンズは、術後の近方と遠方に良好な裸眼視力を提供します。
■白内障手術後に「眼鏡に依存しない生活」を送ることが出来る可能性を高め、患者様のQOL (Quality of Life)の向上が期待されます。
多焦点眼内レンズの見え方
■どの距離でもくっきり見える若い頃の見え方とは異なり、遠くは5Mくらいの距離で近くは手元(約30cm~35cm)の距離で良好な視力を得ることができる。
■中間距離(50cm~1m程度)はみにくさを感じることあり。
多焦点眼内レンズの欠点
■単焦点眼内レンズに比べてややコントラスト感度が不良である。
■グレア・・・光が長くのびてまぶしく見える
■ハロー・・・光の周辺に輪がかかって見える
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つづいて
「緑内障について」 平岩眼科 平岩貴志先生
※ 平岩先生からは、講演時の原稿をいただきましたので抜粋してご紹介いたします

1. はじめに
緑内障は俗に「あおそこひ」ともいい、中高年の代表的な目の病気です。
日本には200万人以上の患者さんがいると推定されています。早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。40歳を過ぎたら眼科で目の検診を受けることも必要です。

2. 緑内障とは
緑内障患者は5.0%つまり20人に1人の割合で予想以上に多いことがわかりました。全国では約200万人と推定されています。年齢とともに増加していくことが知られていますが90%の人達は自分が緑内障であることに気づいていません。

3. 眼圧
眼圧の日本人の平均は14mmHg くらいですが個人差が大きいのです。時間では、午前10時頃が一番高く、夜に低くなるといわれています。季節では、一般的に夏のほうが低く冬に高くなるといわれています。年齢が上がるほど眼圧は下がる傾向にあります。男性より女性のほうが一般的には高く、日本人のほうが海外の人より低めです。

4. 緑内障の定義
緑内障といいますと、昔は眼圧が上がる病気と考えられていましたが、最近の調査では眼圧が正常の範囲内、すなわち10から20くらいの間にあっても緑内障になることがわかってきました。難しい表現になりますが、緑内障は「視神経と視野に特徴的な変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」と定義されています。

5. 緑内障の症状
それでは緑内障の症状をみていきましょう。
緑内障は視神経が障害され、見えない場所(暗点)が出現し、見える範囲(視野)が狭くなります。初期はほんのわずか一部分がかけるだけですので自分では異常に気づきません。中期と呼ばれる状態では、片方の目でカバーすることができるうちは異常に気づかないことが多いのです。末期の状態では、日常生活に支障が出るようになります。これらの変化は大変ゆっくりで、何年もときには何十年もかかることもあります。

6. 急性緑内障の場合
例外があり、眼圧が一気に50,60まで上がってしまう緑内障の発作が起きた場合は、目が充血して強い痛みや、頭痛におそわれ、吐き気がして急に見えなくなるといった劇的な症状がでます。この場合は直ちに眼科を受診し治療が必要です。そのままにしておくと、数日、場合によっては一晩でも失明してしまう恐れもあります。症状が頭痛、吐き気もありますので先に内科にかかり、内科に入院していたケースもありますので注意が必要です。

7. 緑内障の検査
緑内障では定期的に多くの検査を行う必要があります。
まずは眼圧検査です。眼圧を測定する器械はいくつかの種類があります。患者さんの目に
圧縮した空気を吹き込んで測る器械が一般的に行われています。
眼底検査は、視神経の障害の程度を判定するために行います。
視野検査は見える範囲を調べる検査です。コンピュータを組み込んだ特殊な機械の前に座って、小さな光が見えるか見えないかでボタンを押します。
三次元画像解析は最近行われるようになりました。目の神経の厚みを測定します。進行具合が客観的にわかります。

8. 緑内障の治療
神経は、一度損なわれると回復することはできません。そのため緑内障の治療の目的は、緑内障がそれ以上進まないようにすることです。早期に発見して、より早く治療を始めることが、緑内障による失明を防ぐ決め手となります。
治療の原則は、目薬です。緑内障の目薬には何十種類もありますが、目的は眼圧を下げることです。
目薬にも次のような注意が必要です。

・点眼の回数や量を守ってください。例えば内科の飲み薬も回数を守らなければならないのと同じです。多ければ余計に効くというわけではなく、逆に眼が荒れたりすることもあるので注意が必要です。
・ 1回の点眼は1滴で十分です。2滴、3滴と点眼してもあふれ出るだけで、効果は同じです。
・ 点眼した後は、軽く眼をつぶり、目頭を押さえるとより効果的です。
・ 2種類以上の目薬を使用するときは、5分以上間隔をあけて点眼してください。
レーザー治療は薬物治療だけでは眼圧が下がらない場合に行われることもあります。
手術治療は、薬物治療やレーザー治療で効果が思わしくないときに行います。
手術は大まかには二通りの方法があります。房水が目詰まりを起こしている部分を切り広げる方法と、バイパスを作って房水を全く別の道に流してやる方法があります。

9. 毎日の生活の注意
緑内障だからといって、特別な生活の注意があるわけではありません。ただし長時間うつむいて仕事をしたり、暗いところでうつむいて本を読んだり、たくさんの水分を一度に取ると、眼圧上昇の可能性があるようです。またタバコもすすめられません。
緑内障は完全に治ることはありません。進行ができるだけ遅くなるように、管理が一生必要となります。医師の指示を守り、定期検査は必ず受けて下さい。
また、他の薬を服用する場合、「緑内障の人は医師と相談するように」と注意書きのある場合は、薬もしくは薬剤情報を持参して眼科の主治医に相談してから使用するほうが無難です。

10. さいごに これからの緑内障治療
近年の科学の進歩には目を見張るものがあり、医療の多くの分野で科学の新技術が活用されています。今後、さらに進歩した緑内障の治療法が期待できるのではないかと思います。
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質疑応答の後、講演会を終了しました
たくさんの方にご参加いただきました ありがとうございました