【市民健康相談講座】「寝たきりにならないために」

■市民健康相談講座
「寝たきりにならないために」
□整形外科的立場から:河本晃市先生
□神経内科的立場から:寺田正樹先生(脳卒中対策)
日時:平成22年6月26日 (土)
午後2時~3時30分
場所:豊明市保健センター3階講義室
写真1
司会:坂上充志先生(豊明クリニック)(市民講演会企画運営委員)
第一部:「寝たきりにならないために 整形外科的立場から」 河本整形外科 河本晃市 先生
(簡単な講演内容を紹介します)
寝たきりになる原因の約11%は 骨折、転倒とされています。
高齢化に伴い 骨量の減少、骨粗鬆症患者の増加がみられ、軽微な外傷での骨折例も発生し易くなっています。
骨粗鬆症を予防、早期発見、治療するとともに 転倒、骨折が発生しにくい住環境整備に配慮することが大切です。
また、運動機能の低下によって移動能力が低下するロコモティブシンドローム(ロコモ)の認識を深めるとともに、これに関しても予防、早期発見、治療、トレーニングによって 寝たきり、要介護者の減少が推進されることが望まれます。
【写真2】
第二部:「寝たきりにならないために」 ――― 脳卒中対策 大久伝内科 寺田正樹 先生
(簡単な講演内容を紹介します)
脳卒中で寝たきりにならないためには、脳卒中を理解することが大切です。
脳卒中には、脳こうそく、脳出血、クモ膜下出血があり、重症化する脳こうそくについて説明したいと思います。
脳こうそくには、比較的軽症な「脳けっせん症」、重症化する「脳そくせん症」があります。
脳けっせん症は、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの悪化でおこりますので、それらの治療が大切です。
脳そくせん症は、心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈により、心臓内に血栓(けっせん、血の固まり)ができ、その血栓が、血管を通り、脳の血管に詰まる状態をいいます。元巨人軍の長嶋監督が、アテネオリンピックの前に倒れ、「心原性脳こうそく=脳そくせん症」として報道されました。心臓の不整脈、心房細動をよく知り、血の固まりをできにくくすることが、脳そくせん症の予防になります。
正常な心臓では、メトロノームや車の方向指示器のように、規則正しい動きをします。右心房にリズムの発生源があり、そのリズムが心臓全体に伝わり、一回の心臓の拍動となります。
一方、心房細動では、左心房など、本来、リズムが発生しないところから、勝手にリズムが発生するため、規則正しい動きができなくなります。「トッ、トトト、トッ、トッ」などとランダムが動きとなります。たとえば、指揮者のいないオーケストラでは、個々の音楽家が、自分のペースで楽器を弾けば、音楽は成立せず、雑音となります。さらに、心房細動になると、心臓内に血栓(けっせん)ができやすくなり、この血栓を溶かさないと脳そくせん症を引き起こし、大変なことになります。あるデータによると、10人中、6人が重症となり、歩けなくなるどころか死に至ることもあります。
では、どうすればいいでしょうか。
心臓の動きを調節(不整脈の治療)し、血栓をワーファリン?という薬で溶かすことにより、脳そくせん症を予防できます。
心臓の不整脈で重症化する「脳そくせん症」が引き起こされる、という事をよく知って下さい。
【写真3】
その後、参加された方々からの質疑応答がありました
最後に、医師会豊明支部長の水野雅夫先生にまとめのお言葉をいただき、終了しました。
【写真4】

次回の市民健康相談講座にもご期待下さい。

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