【市民健康相談講座】「高齢者の呼吸器疾患 高齢者の予防接種」
「平成24年度 第1回 市民健康相談講座」について報告いたします
日時:平成24年7月7日(土) 午後2時?4時
場所:豊明市保健センター3F講義室
【テーマ】
(1)高齢者の呼吸器疾患について
すぎうら内科クリニック 院長 杉浦 方信 先生
(2)高齢者の予防接種(肺炎球菌ワクチン)
植村循環器科内科 院長 植村 晃久 先生
司会の市民講演会企画運営委員会、寺田正樹先生(大久伝内科)が開会を宣言しました
講演に先立ち、豊明市医師会の隈部泰男会長(くまべ整形外科)から、ご挨拶がありました
第一部は、すぎうら内科クリニック院長、杉浦方信先生による「高齢者の呼吸器疾患について」です
以下要約です
まず簡単に高齢者の呼吸器機能の特徴についての説明があり、代表的疾患として、
(1)気管支喘息
(2)睡眠時無呼吸症候群
(3)間質性肺炎
(4)悪性腫瘍(肺がんなど)
(5)慢性閉塞性肺疾患(COPD)
(6)呼吸器感染症(肺結核、肺炎など)
以上について、詳しく解説していただきました
特に高齢者の肺炎については、「誤嚥性肺炎」が多く、年齢や基礎疾患のため免疫力が低下していることにより重症化しやすくなります
誤嚥性肺炎の予防には、以下が重要です
(1) 口腔ケア(歯磨きや入れ歯の手入れ、虫歯や歯周病の治療)
(2) 寝る姿勢(上半身を15?20度起こす)に注意
(3) 食事のとり方(起きた姿勢で、液体物にはとろみをつけるなど)の工夫
(4) 「インフルエンザワクチン」と「肺炎球菌ワクチン」の接種が有効
簡単な質疑応答の後、5分間の休憩
第二部は、植村循環器科内科院長、植村晃久先生による「高齢者の予防接種(肺炎球菌ワクチン)」です
以下要約です
肺炎について
・ 肺炎を起こすものには、各種細菌、ウイルスなど多くの種類があります
・ 肺炎球菌性の肺炎には、治療薬が効きにくいものが増えています
・ 肺炎は、日本人の死因の第4位で、増加傾向です
・ 肺炎の28%は肺炎球菌が原因です
・ インフルエンザ流行時の肺炎の55%は肺炎球菌が原因です
肺炎球菌ワクチンについて
・ 肺炎球菌が原因の肺炎のみを予防するワクチンです
・ ワクチン接種によって、肺炎による入院や死亡を減らすことができます
・ 一回の接種で5年以上免疫効果が持続します
・ 65歳以上の方は、健康であっても接種をおすすめします
・ 呼吸器疾患、糖尿病、心疾患などがある方も接種が望まれます
・ 65歳以上の約17.5%が接種しているようです
・ 接種により、肺炎球菌性肺炎での入院が36%減、死亡率が57%減という報告もあります
・ インフルエンザワクチンとの併用が効果的です
・ 接種後、免疫ができるまで約1ヶ月かかります 5年目以降徐々に低下します
・ 5年以上経過すれば、再接種も可能です
肺炎を予防するには・・・・・1.規則正しい健康的な生活、2.禁煙、3.誤嚥を防ぐ、4.口の中は清潔に、5.基礎疾患を治療する、そして・・・6.予防接種を受ける 以上が有効です
講演の後、質疑応答があり、市民健康相談講座は終了しました
次回の講演会もお楽しみに
豊明市民広報管理委員会